前回 に引き続き、Windows税（またの名をMicrosoft税）ネタです。
Danish FreeBSD Dev. Sues Lenovo Over "Microsoft Tax" によると、デンマークのFreeBSD開発者がLenovoが返還に応じないので、訴えることにしたそうです。 実はこの開発者というのは、 phkのことで、 FreeBSDはもちろんのこと、数多くのフリーソフトウェア・プロジェクトに貢献してきた方です。 最近だと、よく知られているのは Varnish あたりでしょうか。
ちなみに、彼の主張によると、
私には、EUにおける判例が個々の国の裁判にどれだけの影響力があるのかわかりません。 しかしそれ以外の主張は大変真っ当であるように感じます。 特に、競合相手に無意味にお金を払うことを強制されるのがおかしい、というのは全くその通りでしょう。 はっきり言って、自殺行為ですからね。
さて、/.のコメントで興味深いものがあったので簡単に紹介しておきます。 この種の議論になると、Windows税擁護派は、頻繁に他の業界でバンドルされている例を持ち出して、部分的な返還は不可だと主張しますが、 それは違うよって話です。
長いので、要約してしまいますが、最初のコメントは自動車の座席だけ払い戻しさせられるかという、よくあるタイプのものです。 全部で一つのプロダクトなんだから、そんなことできるわけがない、と。
それに対して、自動車の座席には独立した契約（「この座席を利用するには、以下の条項に同意しなければなりません。同意しない場合は...」）なんかないという反論がありました。 ご存知の通り、Windowsにはそういう契約、所謂EULAがあります。 もしも払い戻しが受けられないならば、独立した製品が同定できず、EULAの対象を特定できないと言っているわけですから、EULAは無効になるそうです。
つまり、EULAが有効であるためには、払い戻しをするしかなく、EULAが無効であるならば、払い戻しはない代わりに、EULAで定められた条件が全く適用されなくなります（例えば、私的利用のために何台にコピーをインストールしても構わない）。