2007-02-17

_ Dog Soldiers

ドッグ・ソルジャー デラックス版 ドッグ・ソルジャー デラックス版

少し前の映画だけど、 なかなか面白かった。 人生を塗り替えるようなインパクトはないけれど、 イギリス映画だけあって、ハリウッド的なストーリーとは一線を画している。 非常にうまくまとめている。

観たDVDがフランス語字幕しかなくて、 肝心の音声の方は、お前はアメリカ映画かと言いたくなるほど、 f*cking、f*cking言ってる。 御世辞にも聞き取りやすいとは言えなかったけれど、 アクション映画はセリフが単純なので、 理解不能なほどではなかった。

この映画の見どころはやはり着ぐるみかなあ。 CGではなく、ウェアウルフは着ぐるみで、 人間がちゃんと入って演じている。 これだけでもマニアにはたまらない作品だと言えるが、 メーキングで語られているように、 リアリティを求めているところがいい。 もちろんフィクションなのだから、 リアリティは重要でないという向きもあるだろうが、 何かを感じるには共通の基盤が必要である。 あまり現実から逸脱すると、 起きていることが理解できないので、 はあー?と言うしかなくなってしまう。 それを防ぐにはひたすら説明を繰り返す他なく、 かつてのハードSFの如き代物になりかねないのだ。

それに対し、この作品はウェアウルフの存在以外はかなりリアルである。 新米兵士はびびりまくっているし、 演習だから弾薬も十分にないし、 撃ってもロクに当たらない。 これぞまさに現実だろう。

いまいちメッセージ性に乏しい作品なので、 少々薄っぺらい。 観た後、面白かったなあとは思えても、 それ以上に得るところはないだろう。 私のように疲れている時に観るのに最適である。

_ 掃除

今日は掃除に明け暮れてしまった。

フランス生活で重要な課題の一つは水回りである。 水が硬い(金属分が多い)ので、 カルシウムやマグネシウムが次第にこびりついてくる。 バーでグラスをふきふきしているシーンが映画などでよく見られるが、 これが理由なのである。 日本のバーテンダーがやっているのは格好つけているだけで意味はない。 日本の水道水でフランスほど金属分が多い水はそうあるものではない。

これを放置すると、段々大変なことになる。 特に上の階に住んでいると大変らしい。 下水は上から下に流れるので、 水道管がその分長くなり、 途中で詰まる確率が高くなるのだろう。 こちらの建物は古いことが多いし、 水道システムも老朽化していることが多く、 この手のインフラが支障を来すことは日本よりもずっと多い。

フランス庶民の知恵はビネガー(vinaigre)である。 これでこびり付いた金属を溶かしてしまう。 専用の溶剤も販売されているが、効果は変わらないらしい。 安いビネガーは1ユーロもしないし、 食するにはまず過ぎる。 食品のセクションには配置されているが、 事実上の洗剤用具なのである。

とは言うものの、 掛けた途端にみるみる解け出す、というような便利なものではない。 時間が必要である。 可能な場面であれば、 煮沸するのがいい。 これが出来ないけど、 場所が十分に硬くて、たくさん固まっているなら、 トンカチのようなもので叩くという手もある。 それが出来ない場合は、 お湯にビネガーを混ぜて、付けて、放置しておくしかない。 当然、量が増えるほど、簡単には落ちなくなる。 だから、まめにメンテナンスするしかないのだ。

そういう訳で、 私は定期的にあっちこっちをビネガーで処理しているのだが、 今日はしばらくはまってしまった。 水道のフィルター部分の取り外しがきくのだけれど、 どうしても回らない。 硬すぎる。 熱しても硬すぎる。

ペンチでかんかん叩いて、 ようやくちょっと回った。 そしてやっと気づいたのだが、 逆に回していたのであった。 思わずしゃがみ込みたくなる場面なわけだが、 なぜか水道だけは普通のネジとは逆回しなのである。 いつも失念して苦心しているような気がする。

_ Crémant D'Alsace

前から不思議なのだが、 日本で俗にスパークリング・ワインのことをシャンパンと呼んだりする。 本来シャンパンとはChampagneであって、 Champagne地方で作られたワインのことに他ならない。 フランスではChampagneこそがChampagneであって、 それ以外のスパークリング・ワインをシャンパンと呼ぶことはない。

それ以外のフランス産スパークリング・ワインもいろいろあって、 代表例がCrémantである。 これはいろんな地方で作られている。

アルザス地方は白ワインが割と有名だが、 Crémantも作っている。 これが案外いい。 Champagneもピンキリだけど、 全般的に値が張るのに対し、 Crémantは安い。 安くてうまいに越したことはない。

しかしさすがにいいChampagneと比べると、まあまあかな。 30ユーロぐらいするChampagneはそれだけで幸せを感じられるほどに美味である。 しかし高い酒ばかり飲んでる訳にはいかないので、 妥協は必要なのであった。

[]