2005-09-25

_ 中核メンバが何を考えているのか分からない

中核メンバ (Marcus & Neal) が何を考えているのか掴めないので苦労しています。

観察しても分からないのであれば、 きっと何も考えてないんですよ。 こういうのを実証主義とか言うんでしたっけ?

真面目に言うと、 Marcusの考えはAPIがちゃんとしてれば、 実装は後から差し替えれば良いってことじゃなかったかな? 私もそれでいいと思います。

しかしまあ、 ハックするのに、他の人が何を考えているかなんていちいち気にしてたら、 進むものも進まなくなるので、 極論を言えば、無視してやっちゃえばいいと思います。 私は基本的にそういう方針で、 変なライセンスを押しつけて困惑させないようにするとか、 コーディング・スタイルを合わせるとか、 その程度の気遣いはやりますけど、 技術については後から摺り合わせていけばいいじゃないかと考えます。 とりあえず書く、 出してみて、よろしくなければ書き直す。 これが唯一無二の建設的議論を促進する方法じゃないでしょうか。

コードあんまり書けない人ほど、 コードが打ち捨てられることに抵抗を示しますが、 コードがどんどん書ける人の場合、 コードが没になるかもしれないなんて心配するだけ無駄です。 心配している間に書けますから。 私はコードなんていくらでも書けると信じているので、 書き捨てることに全く未練がないですね。 実際、昔書いたコードなんて、ほとんど持ってないし。 大事なのはコードそのものじゃなくて、 書く過程で得られる経験、知見、洞察でしょう。 こういうのは血となり肉となる訳で、 言ってみれば副産物でしかないコードを後生大事に持っても仕方ないと思うのです。 ま、使い道のあるコードは使っているから消えないですけどね。

よくわからんのは自分に low-level programming の経験というか造詣が足らんだけちゃうのかと思うようになってて

井上さんの御経験を存じ上げてないので、私には分かりませんが、 とどのつまり、プログラミングなんてどれをやっても似たり寄ったり、 必要な知識が異なるぐらいのもんです。 本質的には同じことじゃないですか。 だからこそ、時代/分野を越えて通用する技術ってのがあるわけで、 若いうちにはいろいろ手を出して、 そういう普遍的な部分を身に付けておくのが(実利的に)好ましいんじゃないでしょうか。 ま、興味を感じたことを気の赴くままにやってみるのが一番でしょう。 若い時が一番エネルギーと吸収力に優れているんだし、 歳食ってから、あーあれもやっときゃよかったー、なんてつぶやくぐらいなら、 早目に不毛かもしれないと思うことにも首突っ込んで損はしまいと思います。

_ 開発のための開発

ちなみに、 私みたいにこの世界に深入りしてしまった人間にありがちなのは、 何もやってないわけではないのに、 段々本論から逸れていってしまうということです。

最初は本当に自分がやってみようと思ったことに手を出します。 やがて、それを進めるには周辺のツール、ライブラリ、開発環境などを何とかしないといけないと気付き始めます。 やがて、本当にやりたかった方じゃなくって、 関連したプロジェクトの方がメインになってしまいます。 しかも、これが再帰的に繰り返されます。 気が付くと、全然違うことやってたりする訳です。

古株のHurd関係者なら誰でも知っていることですが、 私も最初はGRUBなんかやる気はありませんでした。 でも今ではどっちをやりたかったのか分からないぐらいになり、 会う度に「いつになったらまた戻ってくるんだ?」とか訊かれる始末。 そして今はGRUB本体じゃなくって、 開発環境の方に移ってしまってます。 私はやれてないことの話をするのが好きでないので、 何やっているかはIRCで一度ぽつっと漏らしたぐらいですが。 ちゃんとやれてから話します。 そして、これが永遠に続かないことを痛切に願ってます。

それはそれでいいのかもなあと、 最近は諦め気味に考えるようになってしまいました。 趣味の開発は仕事の息抜きみたいなもんだし、 あんまり必死になるのも問題だからねえ。

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